どうも、僕です◯┓
鹿児島県霧島市隼人、AZはやとから10号線をちょっとくだったところにひと際目を引く建物のようなものがあります。
「よく前は通るけどあそこはなんだろう」と行った具合の地元の珍スポット的な存在です。
「これはちょっとヤバイぞ」という出で立ち。
僕は「から揚 ボリウムたっぷり」の看板に惹かれ、入ってみることにしました。
店の外では星のついた青いヘルメットをかぶったおじちゃんと、日本人がオリンピックのときにかぶるような帽子をかぶったおばちゃんがまったりしていました。
食堂とおぼしき店内は真っ暗で「しまった・・・」と思ったその時、
まったりしていたおじちゃんが歩いてきました。
僕は上ずった声で「ラ・・・ランチできますか・・・」などと言ったところ、
おじちゃんは「いいよいいよ、電気もつけるからね」と奥に入っていきました。
メニューは
からあげ定食
若とりうどん(そば)玉子入りセット
と、写真を取り忘れたのですがラーメンがありました。
ラーメンも捨てがたかったのですが、武士に二言なしの精神でからあげを注文。
するとおじちゃんはお湯を沸かし始めました。
そして、おばちゃんは奥の厨房に入っていきました。
早速出てきたのがコーヒー。
※写り込んでいるのは蛍光灯の光です。
隠しても仕方ないので言葉を選びつつご紹介すると、正直きれい好きの方とか食べログで美食レポ的なのをしたい方にはマジでおすすめできません。
それでも僕はこのお店に大変な魅力を感じてキーボードを叩いています。
「鉄のない竹」という謎の置物がありました。
鉄のふたがついています。
携帯の電波が飛びません
おじちゃんが話しかけてきてくれたので耳を傾けていると
「最近の若い子たちはとても優秀なのに働きすぎ」
「1日8時間ちゃんとはたらけば十分だよ」
「たまにはサボるのも大事だよ」
といった仏のような言葉をかけてくれました。
そして、初めて聞いた言葉
「頑張りすぎれば頑張りすぎるほど年をとると居場所がなくなるよ」
僕にはまだわからないですが、何十年かしたらこの言葉を思い出すのかもしれません。
そうこうしているうち(20分とか経っていたんじゃないかな)に、
厨房に引っ込んでいたおばちゃんが「から揚げがあがったよ」との声が。
こちらがそのから揚げ。
5〜6個くらい。
運ばれてくると、おじちゃんはおもむろにカセットテープを再生し始め、
心地よいノイズ混じりの昭和歌謡が聞こえてきました。
ちょっと写真ではわかりにくいのですが、謎の平べったいものが載っています。
なんだろうと食べてみると、多分これは「から揚げの衣の材料の余ったやつを揚げたもの」ではないかと思います。
なにげにね、好きなんですよ。
そしてスープとご飯が出てきます。
ごはんは小さな窯で炊いたものです、炊き具合が秀逸だなぁと思っていると
「昔はね、炊き物が終わってから学校に行ってたんだよ」
と教えてくれました。
「昔ながらの味付けです」の掲示どおり、ばあちゃんが作るようなから揚げでした。
おかわりのご飯にはおこげがついていました。
キャベツ全部とから揚げを2/3位食べたころ、おばちゃんが
「これがお一番おいしいよ」と、ゴマドレ(ッシング)をくれました。
「あと5分早く出してほしかった・・・」と思いつつ、から揚げを浸して食べるとご飯のおかず感が高まったので良かったです。
そそくさと食べ終わると、建物の2階に足を運びました。
見学料500円。
「見せてください」と500円を手渡すと嬉しそうに案内してくれました。
おじちゃんの後をついていきます。
桜島の眺望が素敵です。
案内された部屋の中には戦時中に使われていたという物品や写真が所狭しと並べられていました。
軍服などかなりの数がありました。
トイレにも昭和感がただよっていました。
「お手洗い」の斜めっぷりにクリエイティビティを感じます。
ごっつい重機関銃も。
こんなん撃ったら撃つ方も衝撃すごそうです。
軍刀も飾られていました。
おびただしい数のアイテムはおじちゃんが独自に入手したものだそう。
「負け戦に行って悔しい思いをしながら死んでいった人もたくさんいたはず、それを供養しているんだよ」だそう。
そして「戦争に負けてとても情けない思いをみんなした、西南戦争に出た人たちもそうだったんじゃないかな」と語ってくれました。
「だから、若い人たちは力を合わせて仲良くやってほしいよ」と何度も言ってました。
そんな中、目についたこの掲示。
「負けるな」「嘘をつくな」「弱いものをいじめるな」と子供たちに教え込んだ薩摩。
明治維新からあと、西南戦争、太平洋戦争と苦しい思いをしてきた鹿児島ですが、それでも負けてはいけないというメッセージのように感じました。
最後にお茶を飲みながら
「がんばりなさいね、気をつけていくんだよ」
と見送られながら出発しました。
「またラーメンでも食べに行こうかなぁ」と思ったところでした。
ここに足を運んだ人のブログを見るとちょっとイロモノっぽく紹介しているところもあり、実際そんな雰囲気ではありますが、中に入って話を聞いてみると鹿児島の戦中戦後を生き抜いたリアルな声が聞こえてきます。
あと、ここのおじちゃんはなかなかの遊び人だったようなのでその話を聞くのもおもしろいかもしれません。
すげー面白かった!
外見を怖がらずに、一回は行ってみるといいよね!
おじちゃんは90歳前くらいっぽいけど、元気なのでずっとがんばってほしいなぁ!
そいじゃあまた!
【ドライブイン薩摩隼人・戦史館】
場所:鹿児島県霧島市隼人町野久美田5540