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地方創生の最先端を長島町で実践した井上貴至副町長が贈る「たかしのゆいごん」

この記事は1年以上前に書かれた記事です。 営業時間など最新の情報はお店にお問い合わせください。 変更等お気づきの場合はメニューの情報提供カテゴリーからご連絡いただけると幸いです。

2017年3月12日に鹿児島市の城山観光ホテルで開かれた「鹿児島移住ドラフト会議」。この中で今年度で任期を終える井上貴至副町長による移住者応援講演「たかしのゆいごん」が行われました。

主催者である鹿児島移住計画の永山由高さんとの対談形式でこれからのまちづくりの未来などについて、長島で過ごした日々を踏まえ、これからのことについて語ってくれましたのでまとめました。
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ー地方創生と言われているが、実際になかなかことが動くものが動くまで至らない例が多い。そのような中で長島に飛び込んでいくのはプレッシャーではなかったか
こういうのはガチガチになってもだめ。力抜くか、遊ぶか、楽しむかだなと思って取り組んだ。僕はワークライフバランスという言葉が嫌いで、むしろ仕事と生活や遊びが相互作用するワークライフシナジーであるべきだと感じている。仕事と遊びは切り離す必要はないと思う。

ー長島に着任してからの2年を振り返って感じたまちの魅力や取り組んだ事業などは

全国的にも珍しい内海と外海に囲まれる海や山などの自然の中で美味しい食べ物がたくさんあった。そんな環境のなかで過ごし、僕もちょっと太ってしまった笑。
2年間でいろんなことをした。最初に取り組んだ獅子島の子落とし塾をはじめ、ブリ奨学金など、面白いと思ったらどこよりも早く取り組んできた。ブリ奨学金については、長島のブリを世界にPRすると同時に回遊魚であるブリのように子どもたちが出世して戻ってきてほしいという思いを込めて金融機関と組んで超低金利のローンを作り、一定の条件で返済がいらなくなる奨学金にした。費用を補填する原資を町の人から集め、居酒屋やガソリンスタンド、建設会社が協力してくれたり、退職金を提供してくれた役場職員の方もいた。

ー強力なリーダーのいるまちづくり、総力戦で取り組むまちづくりいろいろな形があると思うが、100%みんなでと言うのは難しいのでは

いろいろな役割があっていいし、まちづくりに関心がない人がいたっていいと思う。そんな中で関心がない人を巻き込むべきかが重要。社会問題を当事者だけじゃ解決しないので、問題を抱えている以外の人の関心を集めるかが大事だ。そのためには、移住ドラフト会議のようにみんなが集まる場を作り、それぞれが楽しめる役割を作ればいいんだと思う。まちづくりには一気に効いてくる劇薬よりも、体質改善を促す漢方薬のような取り組みが大事で、劇薬的な考え方の人、漢方薬的な考え方の人がバランスを取ってやっていけばいい。
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ー長島町の取り組みはスピード感がありましたが、その要因は
みんな反対しない簡単なことからはじめた。ブリ奨学金は公共事業として行っていたら反対する人も多かったと思う。行政ががっちり予算確保して・・・となると反対も多く、いつまでも実現しない。

ー地方創生人材派遣制度で就任した副町長職。井上さんは国の官僚から長島に来たわけですが、民間出身者がこの制度でチャレンジするのは難しいか。
長島は難しかったんじゃないか。行政依存が強い町なので、国から来たからこそとりあえず話を聞いてくれた人も少なくなかったのでは。

ー鹿児島は、いわゆるいい高校、大学、仕事の評価が高く、そのようなキャリアを使えば話を聞いてくれるケースも。これについてどう思うか、また地域のキーマンを見つける方法は。
自分で築いてきたものは使えばいい、ものごとを進める時に人脈・経歴・経験を使ってかまわないと思う。それをリセットするのはもったいない。僕は就任して最初の一ヶ月は何もしなかった。会いたい人がいたら会いに行き、飲み会などで話をして興味があった人には次の日お礼を言いがてら会いに行くなどした。一緒に何かしたい、仲間になって欲しい人には一対一で会いに行くことが有効だ。また、移住者など外から人を受け入れるにあたり、歓迎会や飲み会などをひらいてあげてほしい。

ー街を発展させるのに必要なことは、それを成し遂げるためには
古今東西見てみると、若くて優秀な人を育て集めることが大事と思う。僕の出身大阪は昔は栄えていた、松下(パナソニック)、阪急、日清、いかにも大阪という企業は県外出身者が創業。大阪にはそういう人を集める力があったが排他的になり、その力が低くなってきた。戦後のアメリカも世界で一番その力があった、世界中から優秀な人が集まって力を伸ばした。若くて優秀な熱い若者が集まる地域が今後伸びていくと思う。

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ーこの地域はイケてるという評価軸はあるか。
人と地域もダイヤモンド、光の当て方を変えれば輝きかたも変わる。逆に言うと、移住を考えている人は、そこがどのような地域なのかを見る力も必要。長島の場合は、東京から移動に6時間以上かかる。一見、不便に思えるが来てくれた人が宿泊をしてくれることで生まれることもある、夜一緒にバーベキューなどをしながら話しをすると「一緒にやろうか」という空気になる。新宿の居酒屋でそのような空気にはなりにくい。

ー2年間を振り返ってこれはできなかった、手が届かなかったとこはやり残したことは。
ないです。これまで全力でやってきた。しかし、これからもやりたいことはいっぱいある。任期が終わって関係も終わりという関わり方はしたくない。自分も成長できないし、関わってくれた方に責任を果たせないと思っている。私も含め、鹿児島の支店に転勤してきた優秀だったり面白い人とつながり続けるためには、声をかけ続けることが大事だ。クラウドファンディングの資金集めなど柔軟な関わり方ができるはずだ。

ー声をかけ続けるためにできることは
例えばブログを書くなどして今街で何が起こっているかをわかるようにすればいいと思う。そうしながら、相手の様子を見つつ具体的なアクションに繋がる声掛けができればいいのでは。

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ここで、とある公務員から質問が。

ーわたしは公務員の中で仕事をしているが、判断が遅い、経営感覚がない職場に疑問。井上さんが2年間で長島町に面白い人が集まるようになったプロセスの中で、どういうものを公務員に求めて変化をしたのか。
はじめ、町長は補助金で大きなホテルを作りたいと考えていた。ホテルは作ったあと、維持するのが難しい。旅行関連企業の社長と観光ホテルは苦しい状況、難しいという状況を伝えていた。
町長の思いを形にするのが副町長だが、一方でそのまま作ってもいなくなったあとに責任果たせない。10年、20年後にまちのお荷物になるのは嫌だったので民間企業が入りやすい、ホテルを作りやすい環境の整備に取り組んだ。

行政がすべて抱え込もうとするのではなく、専門性を活かせる民間企業と取り組むのがいいのではないか。役場の中だけで頑張っていたもなかなか外部には伝わらない。たとえば、町で奨学金を作るのは難しい作業だが、金融機関にお願いして奨学ローンを作ってもらうことはできる。
役場の仕事をアウトソーシングすることである意味仕事は楽になる、こうなると役場はより動きやすくなり本質的なことに取り組める。単純な事務作業はあと10年もすればAIがしてくれる時代になる。そのような中で行政の価値は、環境を作ったり、コーディネートすることで生まれてくるのではないだろうか。

以上でした。

2年に渡り長島町で様々な事業に取り組み、「地方創生の最先端」の旗振り役として力を尽くしてくださった井上副町長。これからのさらなる活躍に期待すると同時に、この縁をずっと大切にしていきたいと思い記事にしました。

そして、井上さんが最後の節目に行ったクラウドファンディング。
2017年3月末期限でもうひと頑張りという状況です。
これまでの感謝と飛躍への期待を込めてぜひ支援をおねがいします!

僕氏@管理人も支援いたしました!

 

[blogcard url=”https://readyfor.jp/projects/nagashima”]

井上さんありがとうございました!

そいじゃあまた!

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