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かごしま世間遺産探訪~特別編vol.3 鹿児島の素敵な便所たち(かごラヴァ)〜

この記事は1年以上前に書かれた記事です。 営業時間など最新の情報はお店にお問い合わせください。 変更等お気づきの場合はメニューの情報提供カテゴリーからご連絡いただけると幸いです。

私が勝手にいいなあ~と認定している世間遺産のなかで、これまた勝手にジャンル化している公衆便所を、鹿児島の「便所」=ラヴァラトリー、名付けてカゴラヴァとしてご紹介する世間遺産・番外編。
密かなファンの方もいるとかいないとか。
連載の回数はそれほど進んでいないのだが、前回から半年以上経ってカゴラヴァのストックが溜まったので第三弾として放つことをお許しいただきたい。

先日、とあるラジオの生放送でインタビューを受けた。
内容は「休日に親子で出かける際におすすめの場所はどこですか?」というもの。
とりあえず生放送、且つリポーターが新人さんということもあり、奇妙な回答をして混乱させては悪いと理性が働き、普通に素敵な場所と遊び方をご紹介した。
でも、心のなかでは「鹿児島の素敵な便所でもまわったらどうですか」とか回答をしてみたかった。次はそうしようかな。

ということで、今回のカゴラヴァご紹介。

景観フレンドリーな”社便”

最初は神社の便所こと社便。
地域に愛され、地域で大切に信仰されている神社の便所は、なんて素敵なのものが多いのだろう。
さらにデーターを集めて研究してみたいものである。
ランダムに紹介していくが、まずは、桜島の赤水地区にある愛宕開聞神社の便所。
大正3年の桜島の大噴火によって旧社殿などは壊滅的な打撃を受け、現在は愛宕山の麓に開聞神社と合祀して安置されている。
御祭神は火皇産霊神で、地域では漁業の神として信仰されている。
その境内にある社便。
社殿の左側に少し控え目に佇んでいるが、入口の鳥居をくぐって坂になっている参道を上るとすぐに気が付く。
形状はシンプルであるが、周辺環境を刺激しない灰色の外壁が観光地の桜島の便所に在り方として正しいような気がしている。
内部に関しては女性にはおすすめできない系。

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愛宕開聞神社の便所:東川隆太郎撮影

自然と一体化した社便

次は南九州市知覧町永里にある白石神社の社便。
巨木を含む木々に囲まれた雰囲気は素晴らしい。
ちなみにこの境内では、この地にあった柴立城という城の土塁に一部とされる土盛も確認されている。
神社の御祭神は猿田彦命で、社殿に設置されているおみくじはなんと無料。
素晴らしい。そんな境内にある社便は、木々と同化するような佇まい。
参道と横並びな感じも慎ましい。

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白石神社の便所:東川隆太郎撮影

何度でも通いたくなる社便

社便のラストを飾るのは、かつて世間遺産に認定したことのある霧島市溝辺町三縄にある前玉神社の社便。
最近、再訪して改めてその社便としての良さを認識した。
前玉神社は、三方を川に囲まれた不思議な地形上に位置する神社で、それだけでも世間遺産なストーリーがある。
地域では境内に安置されている水神と共に、牛馬の神として信仰されている。
その社殿裏の森のなかにひっそりと佇む便所。
かつて認定した際にはレインボー色のビニールシートが前垂れとして掛かっていたが、現在は白色で、以前よりも神聖な神社にあるにふさわしい感じに落ち着いていた。
でも、やっぱり位置とかがいい。

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前玉神社の便所:東川隆太郎撮影

きのこファンシーな便所の圧

では、社便以外にもふたつの便所をご紹介。
ひとつはメルヘンなおそらく量産型の便所。
いわゆる「きのこ型」で、南九州市頴娃町別府の水成川の公園にある。
集落を流れる水成川沿いにある公園に静かに佇み、このきのこ型があるだけでファンシーな公園に思えてくる妙な圧の強さがある。

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水成川公園の便所:東川隆太郎撮影

地元の石で造られた駅便

最後は駅の便所こと駅便。
日豊本線の帖佐駅の便所は地元産の石材である加治木石で見事に築かれている。
加治木石の有する趣が反映されてか、落ち着いて用を足せると思わせる何かがあると確信するのは私だけだろうか。
改修はされているものの加治木石利用の駅舎は昭和25年の建造、70年以上地域で愛されてきた溶結凝灰岩の便所ということになる。

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帖佐駅の便所:東川隆太郎撮影

便所にもそれぞれの物語があることをこの文章を書きながら再認識したところである。

この記事はかごしま探検の会の東川隆太郎さんに寄稿いただき、カゴシマニアックス編集部で編集したものです。

かごしま探検の会ホームページはこちら

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