「もやっとする」ことを目的として行なわれると噂の一年に一回しかない講義「たこやき大学」に参加してみました。
もやっとすることや、わからないことは多々あったけれど、そういうことの方が、世の中多いのかなと思いました。
答えの無いものを求めるということはエネルギーもいるし、大変です。しかも、しても、しなくてもいい。でも「したら、なんかおもしろいじゃん。」っていう、一夜限りの共同体は確かにできていたなと思いました。
講師は鹿児島ユナイテッドカフェ店主の田仲さんとFMさつませんだい局長の上栫さんです.
●講義テーマ
共同体とは「これってこういうものだよね」ということを理解している人の集まりのことです。日本人の誰もが『折り紙』を手渡されると、何かひとつは折れる。これも、「折り紙ってこういうものだよね」ということを理解しているので、共同体として集まっているといえます。
ベネディクト・アンダーソン 1936年、昆明に生まれる。1957年、ケンブリッジ大学卒業(古典)。1967年コーネル大学ph.D.、コーネル大学教授(政治学・アジア研究)をへて、現在名誉教授。(Amazonより引用)
●情報の価値と受診するための感覚について
かつて、情報の基盤が写本だった頃メディアは『聴覚』を使用し、大勢で共有していました。人の手で書かれた写本は活版印刷のような正確性は薄く、写本している本人の意思や字のきれいさなどがまばらでした。さらに、貴重でコストが高かったため、ある特定の人物が寺子屋などを使って、口頭で伝えていました。このため、当時のメディアは『聴覚』を使用していたと言えます。
印刷が生まれることによって、メディアは『視覚』に変化しました。さらに、誰もが情報を得ることができ、それを読むことが可能になったので、個人で消費することができるようになりました。さらに、印刷は写本と違い、全く同じものを何の脚色もなく得ることが可能になったのです。ここで、注意したいことがあります。それは、情報の大量生産が可能になったことです。そのため、文字に価値が生まれました。
イギリスの歴史研究者、DPhil(オクスフォード大学)。セント・アンドルーズ大学の近代史教授で、専門は宗教改革および16世紀史。著書は他にThe Invention of News: How the world came to know about itself (Yale University Press, 2014)ほか。本書は、すぐれたルネサンス研究の歴史書に贈られるフィリス・グッドハート・ゴーダン賞を受賞、またニューヨーク・タイムズの「2010年注目の100冊」にも選ばれた。(Amazonより引用)
●価値について
●メディアの役割
共同体は生き物です。例えば、マル●ガーデンズにL●FTができるらしいです。そのためには既存の店舗は移動なり、消滅なりしていくわけです。これが共同体の新陳代謝です。例えば、「鹿児島にはL●FTがあったら、良いよね」という情報と「ニーズはマル●ガーデンズにあるよね」という情報を繋げることで、実現できたのかもしれません。このようなことはもっと小規模で行なわれているはずです。あの有名なあの人が来たらしい。それなら、◯◯をしたらいいよね、など。メディアは共同体の情報を繋げることにより、新陳代謝を活発にし成長を促すことができます。
共同体は同じ価値観で集まりやすいので、考え方が偏りがちです。その中で浸っている分にはとても居心地がよく、楽な気分でいられます。しかし、共同体とは偶然の産物なので、その中には違う共同体に興味がわく人も現れます。そして、その人の考えはその共同体の中では珍しい価値観になり得るというわけです。その人は違う価値と共同体を結ぶメディアとなります。そうすることで、共同体に刺激を与えることができます。
少し前に、ショ袋が女子高生のなかで大流行しました。有名ブランドのショップの紙袋(略してショ袋)を持っていることがステースだったことがあります。これを持っている女の子は「ステータスの高い、お洒落な娘」という見られ方がされたようです。ショ袋を貰うためにはそこのブランドの商品を買わなければなりません。そもそも、ブランドがとっても好きな娘とそうでない娘ははっきりしていたはずです。その間の「好きでも、嫌いでもない人」は紙袋欲しさに買ってしまうのです。ここでの、紙袋はメディアの役目を果たしたと言えるのではないでしょうか。
●補習授業
QとAの人物は互いに1人とは限りません。わかりやすくするために会話をQ&A形式にしてみました。
◯爪楊枝と綿棒の王国
A:爪楊枝が何で集まっているのかにもよります。棒の共同体なら、綿棒も細長い棒なので、共同体の一部です。しかし、木でできた4cmくらいの先端が鋭利になっているものの共同体なら、綿棒は棒部分がプラスチックで両端に綿を付けているので、共同体とは言えません。この場合、爪楊枝に取って綿棒は異質な存在です。
A:共感者がいる時点で、そこには共同体が生まれています。なので、小規模の共同体となり得ます。また、「爪楊枝の先端に綿を付ける気は無いけど、それでも良いよね」という、共感者が表れた時、綿棒の存在はその共同体に受け入れられたことになります。
◯人間文化と自然科学の違い
A:人文学は人が作り出したもので自然科学は自然が作り出したものです。そして、すべての学問の末端にあるものは哲学です。哲学は何故、今、ここにあるのか。を考える学問なので、すべての学問はここに行き着きます。
A:自然科学がL字だとすると、その空間にあるものが人文だとします。その周りにあるのが哲学です。心理学は様々な側面を持っているので、人文からにょろっと自然科学に移行してきているのではないでしょうか。
A:でも、人文の教科は必要だと思いますよ。